自他共に認める飲み好きである。
が、飲むのが好きだからって、苦手な居酒屋もある。
チェーンの居酒屋である。
原価を最大限に抑えたかと思われるメニュー内容。
冷凍食品、どこの国からやってきたか分からない食材。
店員の負担を減らすためなのか、はたまた割れないようにするためなのか。
やたらと軽い重量の無機質なお皿。
マニュアル化された接客をするアルバイトたち。
そういったお店で飲むときもあるが、侘しさがある。
しかし、例外もある。
ドミナント展開しているチェーン居酒屋だ。
地域に密着しており、マニュアル化されていないためか、人柄溢れる接客をする店が多いように感じる。
新宿にもドミナント展開している居酒屋で、好きなグループがある。
竹馬グループだ。
このグループの居酒屋は全て味がある。
重厚感ある内装と、ゆったりした時間を楽しめる穏やかな照明、そして木のぬくもりが心地よいテーブル。
喧騒の中、時間の流れが変わってしまったくらいに落ち着ける居酒屋なのである。
同僚、家族、恋人など、二人でゆっくりした時間を楽しみたいときに、このグループのお店におじゃますることがよくあった。
が、この日は、初めて、一人で行くことに。
仕事でお疲れモードだったこともあり、ゆっくりまったり静かに飲みたいと思っていたのだ。
向かったのは犀門。
新宿駅東南口から歩けば数分の距離にある。
ドアを開けると、以前も接客いただいた女性が席まで案内してくれた。
席につき、メニューに目を通す。
こちらのお店、お酒もお食事も、かなり豊富にある。
どれも美味しそう・・・・・。
嬉しいことに、会長好物の日本酒が多いのもありがたい。
迷った挙句、福井の地酒「早瀬浦」と「梅きゅうり」、「ほうれん草のグラタン」、「しらすチャーハン」を注文。
ちびちび飲み、ばくばく食べる。
と、隣に座る男性陣の会話が聞こえてくる。
一人の時は、盗み聞きしてしまうことが多い。
普通に生活していたら出会うこともなさそうな人々に会えるのも、居酒屋さんの魅力だ。
どうやら、隣の男性は映画監督、もう一人はプロデューサーのよう。
話は、映画作品のことから、冤罪のこと、江戸時代の性事情など多岐にわたる。
そうそう。
こういう会話も、まったり、でも、真剣に話せる雰囲気の良いお店なのだ。
ゆっくりとした時を味わえるお店。
また、新宿来たときにはおじゃましようと店を後にするのだった。
犀門
〒160-0022
東京都新宿区新宿3-36-15 内野ビル4F
03-5379-2031