初夏の香りがしてきた5月。新橋付近で一大仕事を終えたアラサー女子、会長が求めるのは、労いの酒だった。
「・・・・・・酒、酒、酒。」
心の中でつぶやきながら、新橋をうろつく。
呪文の効果が出たようだ。見つけたのは「憩い地下街」の看板。
新橋に生息されているサラリーマンならご存知の場所かもしれない。駅近くの「Newしんばしビル」の地下にそれはある。
海外からいらしたと思われるお姉さま方が、早々に仕事を終えたサラリーマン方にお声をかける。どことなく、アラサー女子はお呼びでない雰囲気を察して、足を早めて居酒屋を抜けていく。
と向こうに見えるのは小綺麗な店構えの小料理屋さん。
外にあるメニューに目を通すと、日本酒が豊富にある。
これだ!
思わず、会長は暖簾をくぐっていた。
まだ18時前ということもあり、お客さんは会長一人。
感じの良い若めの店主が迎えてくれた。
カウンターの上には、3種類ほどのおばんざいが並べられていた。
その中にあったゴボウの肉団子と日本酒を注文。
お通しに、彩きれいなもずく酢がきた。
全て素材の味が生かされていて、優しくほっこりしてしまう。
新じゃがとアスパラガスの酒盗和え、これまた美味しい。
店主は元々、麻布十番にある人気の日本酒BARで店長をしていたそうな。独立をずっと視野に入れていて、偶然、店舗の空きが出たという話が出たのが、こちらのお店だそう。
日本酒にずっと関わっていたこともあり、色々な酒屋さんと取引しているとのことで、見たことのない銘柄も楽しめるのがいい。
新橋の夜に、またゆっくり来よう。
心の中で、約束しつつ、お店を後にするのであった。
酒肴晴(shu kou bal)
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