そういえば、あのお店どうなったかな。
「あのお店」とは、つい先日オープンしたばかりの刺身天ぷらの立ち飲み屋さんである。
散歩していた時に、発見したものの、その日はプレオープン日。
関係者のみが美味しそうに刺身や天ぷらを頬張る姿が外から見えていた。
そんな様子から、ずっと気になっていたのだ。
よし、今日は行くチャンス。
ということで、急く気持ちを抑えつつ、お店へと向かった。
店内を覗くと、意外と、お客さんはあまりいない。
オフィス街の少し外れた路地にあるためか、オープンしたことを知らない人が多いのだろう。
混んでいるより空いている方が、ゆっくりできるので、好きだ。
ちょっぴり得した気分になりつつ、入店。
店の奥にあるカウンターへと通された。
オープンしたてということもあり、どこもかしこも綺麗。
メニューを見て、このお店の特長を把握。
なんと、お刺身が一切れから注文できるのだ。
お刺身は、石垣ダイとウスバハギを注文。
少しコリっとした食感があることから、新鮮であることが分かる。
お刺身は、時間が経過する方が、柔らかくなるそうな。
新鮮が美味しいという人もいれば、時間をおいた方が熟成して旨味が増す、という人もいる。
まあ、お肉と同じような感覚であろう。
お酒は、秋田の地酒「青田」。
すっきりとした旨味もありつつ、ちょっとした華やかさもあるので飲みやすかった。
その後も、せっかくなので、天ぷらを頼むことに。
エビとフグを注文。
後ろでは、女性2人と上司と思しきおじさま2人がワイワイ楽しんでいるのが聞こえる。
「ああ、青森行きたいなあー」と、おじさまの出張話を聞いた後、つぶやく女性。
それにすかさず反応する、おじさま上司。
「今から行っちゃおうか」
もう一人のおじさま上司も乗っかって反応。
「行くならグランクラスがいいよ」
グランクラスとは最高峰のサービスを受けられる北陸・東北・北海道新幹線のことだ。なんと、食事やフリーアルコールのサービスもあるそう。
おじさまが話を続ける。
「この間、銀座のクラブのママと日帰りでグランクラスに乗ってきたんだよ。二人して、ひたすら新幹線車内だけで外にも出ず、飲むためだけに乗ったんだけどさ。一人8万円もかかっちゃったよー、がはは」
ヒョエー。
高級クラブの同伴だと、そんな展開もありえるんかい。
ひっそり心の中でツッコミを入れる会長。
港区には、きっとギラギラした人が多いのだ。
よっしゃ、こちらも少しギラついてみよう。
ということで、「獺祭 島耕作」も注文。
ギラギラ感が出てきたではないか。
もう一品、おつまみも。
店主がオススメしてくれた「子持ちニシン」。
酢漬けのニシンに、プチプチとした食感の卵が贅沢なのだ。
さっぱりしていたので、天ぷらの後でも美味しく食べられた。
店主の方からショップカードを渡される。
「うち、お昼には海鮮丼もやってるんで、ぜひきてくださいね」
お刺身が美味しいなら、海鮮丼だって美味しいに決まってる。
お昼にも今度、おじゃましてみよう。
美味しいお魚と島耕作のお酒とで、ギラギラできた夜なのであった。
(ん、女性らしくキラキラの方が良いか。)
築地刺天
〒105-0001
港区虎ノ門1-11-5 森谷ビル1F
03-6205-4540