女一人で十条アドベンチャー其の二。

まるけんの店主から女性一人でも飲んでる人けっこういるよー、と言われたお店を目指し、商店街を歩く。

間もなく、左手に例の店が見えて来た。
「串焼き本舗」。

店の外では、立ち飲みができるのが、おじさまが二人飲んでいらっしゃった。
ホントに女性いるんかい。

店内を覗く。
と、たしかに、女性お一人様のお客様が見えた。

よし。
意を決して、店に入る。

店内の1階はカウンター席のみ。
豚さんの部位を記したお絵描きのような説明図が可愛らしい。

メニューに目をやる。

ラミネート加工の大判の様子から察するに、チェーン店であろう。

端っこの席を陣取り、串焼きとホッピーを注文。


1階はお一人さま、2階は団体と棲み分けができているもよう。
1階ではしっとり飲むお客さんが多いものの、2階からは賑やかな声が聞こえてきた。

そういえば、まるけんの店主が言っていた、串焼き本舗の彫りの深い店長とはどなただろう。
と、すぐに見つかった。
紹介してもらった旨を伝える。

「あ、あそこのお店ですね。実は、ぼく、お客さんに連れられて数回おじゃましたことあるんですよ」

地元の人ならでは、のお話に和む。
つらつらと話すうちに、店主は元々バンドをやっていたことを知る。

「ドラムやってそうですね」

「いや、それよく言われるんですけど、ボーカルとギターやってたんです。昔はやせてたんですよね」

余計なことを言ってしまったと思いつつ、お酒に口をやる。

はしご酒をして、少し酔いが回ってきた会長。
入店時から気になっていた、隣に座っている女性に話しかける。
ほぼ、ナンパだ。

「あの、よく、こちらには来られるんですか?」
「あ、たまにくるよー。けっこう、ここら辺で飲みに行くこと多いんだよね」

見た目はほんわかした女性らしい感じであったが、しゃべってみると頼りがいのありそうなお姉さん。

お姉さん、酒好きが高じて、今度、十条近くに物件を見つけ次第、お店を開くことも検討しているそうな。
話に花が咲き、お姉さんと二人ではしご酒をすることに。

「日本酒好きなんだ?けっこう人気の大衆酒場みたいのあるから行ってみる?」

と、十条住まいのお姉さん、夜な夜な飲み歩くことも多いそうで、さすが、お詳しい。ウキウキしながら、二人で商店街を歩く。

そしてついたのは、「丸昌屋」。

明るい時間なのに、人がいっぱい。

すでにお腹は満たされていたこともあり、お野菜系のおつまみと日本酒を注文。

お姉さんとしっとり話しつつ、飲む流れに。

「会長ちゃんは彼氏いるの?」

「あ、オタクの彼氏が。でも、私よりアニメとかゲームキャラの方が興味あるみたいなんですよね」

「ええ、寂しいじゃん。別れちゃいなよー」

「いやあー」
苦笑いしつつ答える。
なんやかんや、オタクで知識豊富なとこも好きだったりするわけなのである。

一方で、お姉さんの恋愛話も聞いたりもしてみる。
なんと、過去には10歳下の彼氏もいたらしい。

ということは・・・・・・お姉さん、一体、いくつなんだ。

見た目は30代なんだが。

30代で20代とつきあったってことなのだろうか。
それなら比較的よくありそうだ。

でも、過去のことだから、20代半ばの時に高校生と付き合っちゃったとか?
ふええ、漫画とかドラマになりそう。

などと、たわいないことを少し妄想しつつ、酒は進む。

と、なぜか隣の席に座っていた一人飲みをおじさまとお話する流れに。

おじさま、実は北海道から東京に単身赴任で出てきたばかりで、十条の丸昌で飲むのも初めてなんだそうな。

慣れた感じで飲んでいるから、地元の人かと思っていたよ。

丸昌を堪能したところで、次なるお店へとお姉さんと向かう。
路地から路地へ歩く歩く。

途中、かわいらしいワンちゃんを見つけ、戯れたり。

もはや、お姉さんがジャングルの案内人に見えてくる。

でこの日、最後のはしご酒。

この頃には、もはや、会長へべれけ。
こちらのお店が果たしてどこだったのか・・・・・・。
それは十条の酒の神さまのみぞ知るのであった。

串焼き本舗
〒114-0031
東京都北区十条仲原1-24-10
03-3906-7530

丸昌屋
〒114-0031
東京都北区仲原1-2-4福しん美音堂ビル1F
03-5948-8739

「年上男子と年下男子、どちらがお好み?」