実家の近くで一人飲み。–前編–

実家は小田急線上にある。
帰省した帰り道、新百合ヶ丘駅を散策してみた。

思い出したのは、以前、父や姉、弟と伺ったことのあるバーだ。
母以外の家族は皆お酒好き。
成人してから、新百合ヶ丘駅にて家族と飲みに行くことがしばしばあった。

この日の帰り道は一人ということもあり、しっとり飲みたい気分。
懐かしい気持ちを胸にお店へと向かった。
ところが、見当たらない。
もしかして、マンションが建ち、店がなくなったのだろうか。

ショックを受けつつ、開拓欲が湧いて来た。

心機一転、近くで見つけたお店「居酒屋 八」に寄ってみた。

まだ夕方の早い時間だったので、店は会長一人だけ。

テーブル席とカウンター席が混在している。
実は既に実家でも飲んでいたので、軽めにトマトサワーを注文。

どうやら串焼きがオススメの店のようなので、「つくね」、「手羽先」、「ねぎま」を注文。

そして「レバテキ」と「シメサバ」も。

店長であるお兄さんが話しかけてくれる。
「よくここら辺で飲まれるんですか?」

「いや、実家が近くにありまして、久々に来たんですよ。本当はお目当の店があったのですが、なくなっちゃったみたいで・・・・・・それで、こちらのお店にお一人様歓迎とあったので寄ってみました」

「そうなんですね、参考までに、そのお店の名前聞いてもいいですか?」

「サラサです」

「あれ、そのお店ありますよ」

むむ。勘違いしたらしい、道間違えたんだ。

「なんなら、そちらのママはうちにもお客さんとして来てくれたりするんですよ。お届けものがあるんで、後でご案内しましょうか?」

お兄さん、優しい。
そして気さくだ。
ありがたく、お願いすることにした。

聞けば、お兄さんは元々工場で働く職人だったのだが、飲み歩くのが好きすぎて飲酒店に転職したそうな。

こちらのお店は深夜帯になるにつれて、地元の常連さんがお一人でやってくるらしい。
深夜になるとテーブル席は焼き場に集約され、即席でカウンター席を作るそうな。
飲み歩くのが好きな人だからこそ、お客さんにどうしたら喜んでもらえるのかがわかるんだろうな。

食べ終わり、お兄さんにお目当の店へと案内してもらうことになった。
って、お店誰もいなくなっちゃうけど大丈夫なのだろうか。
優しいお兄さん、店に鍵を閉めてまでして案内してくれるらしい。

とお店を一旦閉じようとしていた矢先、常連さんと思しき女性がお兄さんに声をかける。

「あ、今日空いてる?」

「空いてますよー今少し外出ちゃうんで、よかったらお店の中で待ってていただけますか?」

と、なんと常連さんにお留守番をしてもらっている。
だいぶフランクだ。
新百合ヶ丘は平和な駅なのだ。

歩くこと数分。
お兄さんのおかげで無事、「さらさ」へとたどり着いたのであった。

「居酒屋 八」
〒215-0021
神奈川県川崎市麻生区上麻生1丁目6−3マプレ B1
044-328-9888

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「新百合ヶ丘って安心な街なので住むのにオススメよ。」

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