レンタルなんもしない人さんと。-後編-

レンタルさんと、はしご酒をすべく、次なるお店へ。
迷いそうになりつつも、はしごしようとしていた「おでんの丸忠」の周辺に辿り着く。
が、お店が見当たらない。

近くにいた商店のおじさんに場所を尋ねると、
「あ、今日定休日だよ」と教えてくれる。

がびーん。
が、ここで断念するのもなんなので、おじさんに食い下がりつつ、
「この時間からやっているおすすめの酒場ありますか?」
と質問してみることに。

「うーん、この時間だと、そこのとこ曲がったところにある、『某チェーン居酒屋』か『白虎隊』ならやってると思うよー」

「ありがとうございます」

仕事中にもかかわらず、酔っ払いのはしごする先を教えてくれたおじさんに感謝である。

早速、白虎隊とやらに向かってみることにした。

まだ平日の明るい時間帯だったこともあり、店内は比較的空いてはいるものの、できあがっているお客さんもいた。

カウンターにレンタルさんと横並びで座る。
メニューを見ながら注文するものを決める。

会長は生レモンサワー、レンタルさんはレモンハイを注文。

おつまみにはシューマイも。
レンタルさんは餃子を頼んでいた。

お酒と料理がやってきて、気づく。
生の半切りレモンとレモン絞り器。
「生」が着く食べ物やら飲み物は大好きなのだが、レモンやオレンジを絞る行為が苦手。
決して、非力なわけではないが・・・・・・正直、めんどくさいのである。
生レモンサワーを頼むたびに、実際、物が届くと、ああ、レモンサワーにしておけばよかったと、いつも思ってる。

すでに、2軒目ということもあり、ちょっと酔っている会長。
もしかして、レンタルさん、なんもしないと言えども、これくらいはお願いしたら、絞ってくれるんじゃなかろか。っていうか、レモン絞るの好きって人の可能性もゼロじゃないし。
図々しくもお願いしてみる。

「あの・・・・・・こういうのってお願いできるんですかね?」

「え、いやあー・・・・・・」

それまで質問に対して誠実に正直に興味深い回答をしてくれていたレンタルさんが、初めて歯切れが悪くなる瞬間であった。
自分でレモンを絞った生レモンサワーは格別のお味でしたよ、ええ。

ちなみに、誤解を招く可能性もあるので、レンタルさんのフォローをしておく。
レンタルさんは冷たい人な訳ではないのは雑談の中でひしひしと感じていた。
てか、もしかすると、餃子を注文したときだって、会長がシュウマイ頼んだから、合わせてくれたのかもしれないし(うん、これは絶対、違う、あと、餃子食べ損ねたことを、今、後悔してます)。

質問していく中で、感じたのが、レンタルさんは真っ直ぐで純粋で頭が良くて精神的にタフな人なんじゃないだろか、ということ。

ご自身のことを、承認欲求が強い、ミーハーである、と認めており、大きな仕事が舞い込んだ話をされているときは、「これは自分でも自慢だと思ってるんですけど」と嬉しそうされていて失礼ながら可愛らしい方だと感じてしまった。

欲しいと思っているものが手に入ったら、素直に喜べる、とっても人間味ある方だと思う。
一方で、世の中が当たり前と思っていることをぶち壊したい衝動に駆られる時もあるみたいだが、それって、実は、新しい価値を世の中に吹き込みたいってことなのかもしれない。
少年のようである。

この日、聞けてよかったな、と思ったのは、「依頼者との出来事をメモしたりするときはないんですか?」という質問に対する回答。

レンタルさん曰く、「ないですね。感情が動いたことを強く記憶していて、それを(Twitterに)書き起こしてます」とのこと。
だから、あんなに端的でも、みんなから面白いと共感が得られる文章が書けるのかしら。頭で考えているようで、自分の感情にもきちんと向き合っている方なんだと思う。

って、一回会っただけなので、実際には想像の延長線上でしか、レンタルさんのことを知り得ていないのだが、ただ、またレンタルしようと思ってしまう魅力の持ち主であった。

そして、彼のお酒の強さに、ちょっとびっくり。
自分よりも酔わずに平然としている方に、久々にお会いした気がするぞ。
一緒に飲みに行く相手として、素晴らしいのでは。

よろしければ、ご覧のあなたも早速レンタルさんにTwitterからDMしてはいかがだろうか。飲みに付き合ってくださるかもしれない。

完。

白虎隊
〒124-0012
東京都葛飾区立石1丁目21-3
03-5654-6263

「承認欲求を満たすものとは?」

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