初めてのソムリエナイフ。

コルクが劣化したり、糖化すると抜けづらくなるらしい。
せっかく上等な赤ワインを買ったのに、コルクに負けたわけだが、
きっと年数の経っているワインだから、開けられなかったんだ。
ましてやポンコツワインオープナーときたら、無理に決まってる。

ひとまず。
気を取り直して、ソムリエナイフを人生で初めて買うことにした。
これがあれば、開けられる気がするぞ。
しかも、かわいいピンク色。
るんるんである。

せっかくの初ソムリエナイフデビューの日。
仕事終わりに品川駅構内にある肉の「kodama」にて、生ハムやらオリーブやらサラミやらをしこたま買い込んだ。

家に着き、早速、準備にとりかかる。

肉肉肉。
早く食べたい。
が、気を急くのはいかん。
落ち着け。

まず、サントリーが提供しているワインの開け方に関する動画をチェック。
よし、これくらい丁寧な動きで扱えば、きっとうまくいくはずだ。
上部は折れてしまったが、下部はしっかり残っているコルク。
真ん中を目がけてスクリューを刺す。
コルクを突き抜けないように慎重に。

そして、ソムリエナイフのフックをワインの縁に添えようとするが・・・・・・
コルクが短いせいで、うまく引っ掛ける事ができない。

なんてこと。
これでは、また失敗した時と同様に力づくで上向きにコルクを引き上げるしかないではないか。
これ以上の被害は防ぎたかったので、第二の策に移ることにした。

その名も「つまようじ作戦」である。

「うさぎ学園 多趣味部」さんのブログによると、折れたコルクと瓶の狭間につまようじを刺し、上向きにつまようじをまとめて引くことでポンとコルクが抜けるそうな。
天才的な裏技である。
ありがたく、実践してみることに。
が。なぜ。
なぜなの。
全然上にびくともしない。
このままでは、つまようじが壊れてしまう。

呆然としながら、線香のごとく、コルクにぶっ刺さっているつまようじを眺める会長。

と、その時に救世主が。
「天才の俺が開けてあげようか?」
夫である。
会長の無様な様子に見かねて話しかけてきた。

悔しい。
このワインに打ち勝つのは、自分でありたかった。
が、背に腹は変えられぬ。

ソムリエナイフを奪い、すっとコルクに刺す夫。
それは、もう試しましたーコルク短くてソムリエナイフのフックが引っ掛けられないので無理だったんですーと可愛げなく呟く会長。

と、まさか。
自分の親指を使って、ソムリエナイフの支点をつくりだしたではないか。
むむむと少年漫画の戦闘シーンに出てきそうな表情をする夫。
え、めっちゃ固いのだが大丈夫なのだろうか。
と、ものの数十秒でポンと空いた。

「まあ忍耐力があればできるよね」
との決め台詞。

自分の非力さに悔しくなりながらも、その後、肉とワインを美味しく堪能させていただきました。
ちなみに、ワインは果実感あるのにビターな味わいと酸味が織り混ざった複雑で深みのあるスパイシーな味わいでしたよん。
飲んだ瞬間、旨さを感じ、ワインの沼にもハマりそうな予感がする。

そしてkodamaのサラミ。

ドライフルーツのようなころっとした見た目だが、味はしっかり美味しいくるみ入りのサラミ。
ワインにも合うし、ビールも合いそうな気がして、リピートすること間違いなし。
美味しい食べ物飲み物に囲まれて幸せな夜でござんした。

次回日記は2020.05.30更新予定。
前回日記はこちら

「こう見えてサラミです。」