美味しいわけがありありな日本酒バー。

路地に佇み、穏やかな光を放つ、質素な造りのこじんまりしているお店が好きだ。
一人で飲んでいて居心地がよく、外装や内装に費用をかけていないためか、その分、お料理やお酒の質が良いケースが多い、気がする。

この日も、そのセンサーが働いて向かったお店がある。
「日本酒Bar川口酒店」だ。


日本橋髙島屋のすぐ裏手にある路地に立地している。

覗くと、すでにサラリーマンの方々が数名、飲んでいらっしゃる。
端に陣取り、メニューを眺める。

美味しいそうな日本酒がいっぱいだ。
お料理も、それなりに手頃なのが嬉しい。

1杯目は岩手県の地酒「赤武」。
以前、別の場所で飲んでいるときに、隣から「今年の赤武は良い味してるよー」という声が聞こえてきたのを思い出したのだ。

旨味もしっかり、だれない甘さでキレもあって、おいしい。

と、隣の方々が3種飲み比べをされているのに気づく。
あ、あっちにすれば、良かった。

生牡蠣を注文するとともに、早速3種飲み比べも注文。
発芽玄米酒「むすひ」を注文するときだけ、店員のお兄さんが反応をする。
「独特な味わいの日本酒ですが大丈夫でしょうか?」
発芽玄米なだけでも気になっていたのに、独特な味とは、ますます気になる。
「ぜひお願いします」
意気込んで注文した。

今シーズン初めての生牡蠣。
大きい。そして、殻付き。嬉しい。

テーブルに置かれた3種飲み比べと合わせる。

例の釘を刺された日本酒「むすひ」。
ラベルには真面目な顔をしているのに、かなり可愛い雰囲気に描かれているお坊さんのイラストがある。蔵名は「寺田本家」。千葉県の蔵らしい。

飲んでみると、確かに通常の日本酒をイメージして飲むには危険かもしれない。
しかし、とろとろとした口触りに、玄米のしっかりとした旨味と甘味、乳酸の味が交わって、美味しい。

追加注文した「穴きゅう細巻き」にも合う。

美味い米を旨い米で食べているみたいだ。
穴子のふっくらした食感と甘さ控えめのたれとのマリアージュも最高である。

なんだか美味しいお酒と美味しいお料理で、それなりに手頃だし、良いとこ見つけちゃったな。

その後も、お一人さまは男女問わず、何組かやってきた。
丸テーブルには仲よさそうなおじさま方。
カウンター奥には、大人な雰囲気漂うカップル、髙島屋帰りの女性二人組、卓球の愛ちゃんに似たお姉さん、ルパン三世似のソムリエさん。
(最後の二人だけ、ちょっと具体的なのは、ちょっとお話ししたからであった。)

これだけあらゆる人々が集まる人気店なのだ。

そして、今、店の住所を調べるにあたって店の情報を見ていたら、気づいたことがあった。
こちらのお店、穴子の名店「玉ゐ」の経営しているバーだったのね。
そりゃ、あれだけ穴子が美味しいわけなのだ。

弟が1ヶ月に数回くらい買ってきてくれることがあるくらい、会長の家は「玉ゐ」のファンなのだ。
そんなに好きなら、むしろ日本酒バーがあったことを知らなかったことにびっくりだろう。

また行っちゃうこと必須のお店なのであった。

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日本酒Bar川口酒店
東京都中央区日本橋2-9-7 1F・2F
03-6225-2850

「うなぎよりも穴子はお手頃だけどふっくらしておいしい。」

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