アヒージョがもたらした思わぬインパクト。

台風が去り、残したのは夏に舞い戻ったかのような暑さであった。
秋とは思えない。
暑い。

そんな日の仕事帰り。
シュワっとしたものが無性に飲みたい。
ビールもいいけど、なんだか、ラムネみたいな感覚の飲み物が欲しい。

よし、シャンパン飲もう。

というわけで、四ツ谷の「ワインバル サカグチ」へと向かうことにした。

酒屋さんが経営しているバルなので、比較的リーズナブルにワインが楽しめる立ち飲み屋さんなのだ。

ドアに立ち、中を覗く。

と、急にドアが開く。
出てきたのは、かなりの美女な店員さんであった。

おお。
笑顔も可愛い。

女性なのに女性に惹かれて、入店。
カウンターへと通される。

まずは念願のシャンパン。
きめ細やかな泡と、ほんのりした甘味と酸味で、癒される。

2杯目は店長オススメの白ワイン。
甘くて濃厚なワインでジューシー。

料理は「エビと舞茸のアヒージョ」を注文。
熱々加減が、吹きこぼれそうなくらい泡を立てているオリーブオイルから伝わってくる。

その様子に、両隣のお客さんが反応する。

右隣のサラリーマン男性二人組は追随してアヒージョを注文。

一方、左隣の金髪の青い目をしたカジュアルな服装の中年外国人の方からは、話しかけられる。
「OISII?」

突然の声掛けに、動揺。

そうか、彼はおいしいかを尋ねているのか。
日本語で聞いてくれているのに、海外の方が話すと英語に聞こえる。

思わず、中学レベルの英語で返す。
「It tastes good.」
うん、見た目通り、おいしい。

「Good! Do you live near hear?」

ん、近くに住んでるかの確認か。
果たして、どこまで個人情報を漏らしていいのか。
まあ、平気か。

路線上ではあるが、近くではないはない駅に住んでる旨を片言の英語で伝える。

こちらもせっかくだから質問してみる。
「Why do you come Japan? Job? For trip?」

彼は一体、なぜ日本にいるのだろうか。

彼いわく、
「For exhibition. I’m artist.」

ひょえ、芸術家か。
「What kind of…」
と、何系の芸術をされているのか尋ねる前に彼の方からスマホの写メを見せてくれる。

女性と3人の男性が描かれている絵だ。
パソコン上のツールで作成したものらしい。

女性はホームレスの聖母を表し、男性3人は牢獄に収容されている人々だそうな。

同情にしかるべき絵なはずなのに、赤・青・黄色などで彩られており、明るさも感じる。

と、そこに彼の日本人である奥様がやってくる。
間に奥様が立ち、ほぼ、彼女が通訳する形式でちょっとした会話が繰り広げられた。

奥様もテキスタイルの芸術家で、今は、その男性とロンドンにお住まいなそうな。今回は、彼の展覧会ということもあって、ご実家がある四ツ谷にやって来たとのこと。

なんだか、豊かな暮らしと自由な感じが素敵である。

海外暮らしで自由に好きなことを仕事にして、色々旅行するのも楽しそうだな。
なんて、少し夢見る会長。

そのためにも、今の仕事、もっとがんばらにゃ。

そろそろお会計。
相変わらず360度どこ見ても可愛い女性店員さんが、親切に対応してくれる。

アヒージョ見ちゃうと、隣の人もマネして頼んじゃう。
アヒージョあれば、国際交流するきっかけ作りにもなっちゃう。
この日は、アヒージョが人に与えるインパクトを学んだ日でもあった。

ワインバル サカグチ
東京都千代田区麹町6-6-7 1F
03-3239-0222

「家でも彼とワインとアヒージョ。」

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