幕張メッセにて仕事があった。
遠いのをいいことに、ちゃっかり直帰。
せっかくだから千葉県内で飲んでから帰ろう。
と、思い出したのは船橋駅だ。
雑誌「散歩の達人」にて特集が組まれており、居酒屋がたくさんあることを知った。
よし、船橋でも女一人酒デビューしちゃおうかな。
チェックしていたお店は何軒かあり、中でも気になっていたのは、日本酒の立ち飲み屋さんである。
が、ちょっと暑かったし、歩き疲れたこの日。
いきなり、日本酒にするより、ゴクリとビールで喉を潤したい。
どうしようかな。
と店へ行くまでの道中というか、お目当てのお店の隣に「下町バル スパイス」を発見。
ソーセージの写真が飾られている。
間違いなく、ビールがあるお店であろう。
まだ、夕方の早い時間であったこともあり、先客は常連と思しきお兄さんお一人のみであった。
おじゃまする。
気さくな明るいお姉さんが対応してくださった。
喋り方が、なんだかほんわかしていて可愛らしい。
念願のビールを注文。
グラスも中身もキンキンに冷えていて嬉しい。
お姉さんが尋ねる。
「お仕事、この辺なんですか?」
「いえ、都内なんですが、今日は幕張メッセで仕事がありまして」
「都内!いいですねえ」
どうやら、この辺で飲む人は地元の方が多いようだ。
隣で飲んでいる男性も地元にお住いだそう。
本日はお休みの日らしく、なんと、お昼頃から飲んでいるらしい。
うらやましい。
お姉さん曰く、
「船橋は酔っ払い多いよー、プロの飲兵衛ばかり。昔は港町だったから漁師が多かったみたいだけど」
というような街らしい。
最近は船橋でオープンする店も増えてきて、地価が上がっているみたい。
「テナント料も上がっちゃってて、大変よー」
なるほど。
おつまみにソーセージを注文。
以前読んだ雑誌の受け売りで「習志野ソーセージって最近流行ってるみたいですね」とお姉さんに告げる。
「うーん、まあそうみたいねえーって。あ。うちの習志野ソーセージじゃないのよ、ごめんね」と笑いながらお茶目に教えてくれるお姉さん。
どこのソーセージかは分からないが、太めのハーブソーセージ。
歯ごたえプリッとしていて、美味しい。
「お姉さんはお酒飲んでて失敗とかないの?」と先客のお兄さんに質問される。
あるある、ありますよ。
「寝ちゃうんですよね、トイレとかで」
そう、飲みすぎると、どうにもこうにも眠くなる。
一番ひどかった失敗は、大学時代のサークル合宿で飲みすぎた挙句、管理人室のこたつで寝ていたことだ。
朝、管理人のおばさまに謝りに行ったら、
「女の子が寝てると思ったから、こたつの電源入れておいたのよ。暖かかったでしょう」と優しすぎる対応をしてくださったのも、今となったら良い思い出だ。
「お兄さんは、酔うとどうなるんですか?」
と、お兄さんが答える前に、笑いながらお姉さんが教えてくれる。
「あれよ、道の真ん中で踊り出しちゃう。ダンサーになっちゃうんだよ」
おお、逆にアクティブになるタイプの陽気なお方だったのか。
と、そこへ、またまた陽気なおじさまがやってくる。
「よ!」
お姉さん、「あ、プロの飲兵衛きたよー」と笑いながら迎える。
おじさま、定年退職してからも幕張でお仕事をされているそうな。
早い時間に上がれるから、悠々自適に毎晩のように船橋でハシゴ酒しているらしい。
「いやあー、この間は記憶ないよー」とやっぱり陽気に話すおじさま。
なんと、こちらのおじさま、会長が先日読んだ「散歩の達人」に掲載されている写真に写っているらしい。
店に置いてあった「散歩の達人」を手に取るおじさま。
「ほら、このページ。どこにいるか分かる?」
って、すぐに分かった。
やっぱり、写真でも陽気そうに飲んでいらっしゃる。
「すごい、よくすぐ分かったね」とおじさま。
だって、なんだか、笑顔がすごく明るくて、目立つのだもの。
「え、〇〇さんとかも写ってたりしないの?」とお兄さんも反応する。
どうやら、地元の常連さんのことらしい。
こんな会話からも、船橋には毎晩のように仲間が集まる居酒屋がたくさんあるのが分かる。
飲兵衛にはたまらない街だ。
さて、次のお店もあるから、そろそろ行かねば。
ということで、〆にミニカレーとポンデケージョを注文。
カレーにモチモチのパンが合う。
隣のおじさまに習って注文した青汁ハイも飲みきり、次なる店に備えるのであった。
下町バル スパイス
273-0005
千葉県船橋市本町4-42-14
047-426-2784