「角打ち」の意味を皆さん、ご存知だろうか?
・立って、安く飲むやつでしょ。
・適当におつまみとお酒が置いてある大衆酒場でしょ。
・立ち飲み屋のことでしょ。
中には、そんな声も聞こえてきそう。
意外と飲兵衛でも誤って理解しているケースが多いため、正確な定義をお伝えすると、「角打ち」とは、「酒販店の一部にある飲食できる場所」のこと。
最近であると、立って安く飲む形式で提供する飲食店が、自ら「角打ち」と称してしまうケースもある。
しかし、本来は「飲食店」ではなく、「酒販店」を示す。
角打ちの魅力は何と言っても、仕入れ値に近い値段でお酒を楽しめる店であろう。気に入ったものがあれば、その場で購入して、家で楽しむこともできる。
が、結構、女性一人で入りづらい店も多い。
チャレンジしてみたいんだけどな、という綺麗目な格好の貴女。
日比谷ミッドタウンに足を運ばれて見るのはいかがだろう。
こちらの地下にある「住吉酒店」。
本店は福岡にある。
都内で唯一の出店だ。
スーツ姿で会長も女一人、行ってみた。
かわいらしい酒ボトルのロゴであしらわれた看板。
シンプルな木材のテーブル。
スタイリッシュな雰囲気である。
店に通されて、出てきたのは、何と花札。
こちらの花札は、一枚400円に換算される。
メニューには、各料理およびお酒に枚数の記載がある。
花札の枚数によって、単価が決まってくる。
粋な感じ。
ただ、頭の中では、○枚×400円と計算しながら、注文する必要がある。
(金に糸目をつけず、角打ちを楽しむ人は必要ないが。)
酔って、値段が分からなくなってしまうということがないよう。
会長も粋な感じを保ち続けねば。
お一人様メニューから、3種盛りを注文。
こちらは、好きなおつまみを3つ選ぶことができて400円。
出てきたのは、小ぶりの皿にちょこんと乗せられたおつまみ達。
ポテサラ、レバーペースト、ハツの酒煮を選んだ。
中でもオススメメニューにあったポテサラ。
こちらには、トッピングとしてカカオニブが添えられている。
カカオニブのカリッとした食感、旨味および苦味が、良い仕事をしている。
合わせて、住吉酒販オリジナルボトルの日本酒「6513」。
福岡県の地酒「田中六五」の蔵元である白糸酒造の商品だ。
スタイリッシュなデザインが、まるでワイン。
その後、野菜不足なことに気づき、野菜のお浸しを注文。
上品な味わいのお出汁が優しく口に広がる。
そして、シメのお酒にお店イチオシの「菊姫」の古酒を注文。
こちら、無濾過生原酒の菊姫を、冷蔵保存して17年寝かせたものだ。
無濾過生原酒とは、濾過および火入れをしていないフレッシュな状態の日本酒のことである。
(多くの日本酒は、味のバランスを整えるために濾過し、火入れをして酵母の働きを止めた状態で出荷することが多い。誤解してならないのは、濾過しているから、あるいは、火入れしているからといって、美味しくないわけではない。
それはそれで、旨味が増したり、味にキレが出たりと、美味しい酒になる。一方、無濾過生原酒であれば、出来立ての日本酒の味を楽しむことができる。が、若干、アルコール度数が高めになりがちなので、人によっては飲むのに負担がかかると感じることもあるかも。)
経験上、生酒の多くは、華やかでフルーティーな味わいの中に強い甘みと旨味を感じることが多い。
しかし、こちらの「菊姫」。
凝縮された旨味の中にだれない上品な甘みを感じる。
まろやかさ増しているようだ。
17年もの歳月だからこそ成せる味わいであろう。
1杯、1,600円なのも頷けるくらいの美味しさだ。
お酒2杯と、おつまみ2品。
お会計は花札10枚に消費税で、4,320円。
角打ちにしては、大分高価格帯である。
が、お酒もさることながら、お料理も一流料理店ばりに美味しい。
ご褒美が欲しいときに、また来よう。
住吉酒販
〒100-0006
東京都千代田区有楽町1-1-2 東京ミッドタウン日比谷 B1F
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